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sound in sympathy 今日の出来事

23:59

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私の職場に加賀さん(仮名)という女性が働いています。
もう70歳に手が届く位でしょうか。
体力こそ衰えて来たものの、彼女がこれまで培ってきた知識と行動力はそれを超えるパワーがある。
私が入職したての頃、一から教えてくれたのも加賀さんだった。
加賀さんはとても厳しく、思い切り怒鳴られる事もあった。
それでも私が彼女を尊敬してやまないのは彼女に深い愛情があるのがわかっていたから。

あれはいつだったか。
入職して1週間位のことだったと思います。
私が一人でやって覚えたい仕事があったので、それを加賀さんに伝えると
『そうだね、わかった。私が見ててあげるから一人でやってごらん。』と行って下さり
私は早く業務を身につけたいと一生懸命一人でやってみた。
それを見た主任が加賀さんを猛烈に叱りつけた。
『まだ新人なのに何一人でやらせてるの!?
 加賀さんが付いていながら駄目じゃないの!』

そう言い放つと病室からカンカンになって主任は出て行った。
私のせいで加賀さんが怒られてしまった事に申し訳なくって
『私のせいで本当にすみませんっ!』と謝ると
『いいのよ、いつもの事よ!大丈夫大丈夫♪』とケラケラっと笑って応えてくれた。

私は主任が直接私に怒らずに教育係の加賀さんだけを叱っていた姿を見て
この主任がどれだけ加賀さんを信頼しているのか、
そして加賀さんもそれを理解しているのかが良くわかった。

私もかつてそうだったから。


ある時は身体を張って私を守り、ある時は真剣に叱ってくれる。
私は今でもそんな加賀さんを尊敬している。



そして今日の朝。

加賀さんが出勤してきたので今日の業務の指示を申し送ろうとした時に彼女は私の前で涙をこぼした。
『ワンちゃんが朝ね、死んじゃったの・・・
 もうね、金曜日から急に倒れちゃってね、苦しんで死んでいったの』

加賀さんは代々コーギーを飼っていた。
私の家でもコーギーを飼っているので良く話はしていたので、
彼女がどれほどワンちゃんを可愛がっていたか知っているので私も辛かった。
どれだけ出勤してくるのが辛かっただろうか。
たかがペットが死んだくらいで・・・と思う方もいるのはわかりますが、
家族や自分の子供のように一緒に暮らしたペットの死は本当に辛いのです。

うちでも長年一緒に暮らしてきたパグのベッシーが去年天国へ行ってしまってから
最近までお骨をお墓に入れる事は出来ないまま、家族の傍に置いてましたから。
星一徹みたいな父が巨体を震わせて泣いてましたし。
いまだに写真に話しかけたりしてます・・・。



そして今日の加賀さんは・・・。
辛い気持ちは堪えて患者様に最善を尽くします。
気力を振り絞っていつも通り走り回ります。




バタバタしながら気がつくと16時。
今日の私の勤務は16時までだったので、申し送りをしようとしたところ
加賀さんとウマの合わない五反田さん(仮名)の二人が泣きながら話をしていました。
五反田さんは16時半から夜勤での勤務で出勤したところでした。
今の今まで五反田さんは大人げなく毎日のように加賀さんを無視していました。
無視は勤務中も続くので正直言って仕事に差し支えがあったのです。
上に言っても解決する術を知らない人達ですから、まぁ、私に回ってくるわけですよ。
『ねぇ、jilさんどうにかしてぇ!』と。
加賀さんも五反田さんも人生の大先輩ですから、私も悩みました。
私が主任だったらいくらでもね、スパッと解決させてしまいますが
残念ながら私は今の職場では最強の偽善者目指し奮闘中の身でして・・・。
でもそろそろ3人で話し合いでも持とうかなと思っていた時だったのですが、
そんなトラブル中の二人が話をしている姿に皆でビックリ!

五反田さんもワンちゃん大好きなんですよね。
だからなのか、加賀さん、出勤してきた五反田さんに思わず悲しみを打ち明けてたのだと思います。
二人が話す姿は本当に久しぶりでした。
五反田さんも話を聞きながら『そうよね、そうよね』ってうなづいています。


そこで他のスタッフに
『仕事中だってわかっているけれど、今日だけはあのまま話させてあげたいんだけれど』と言うと
皆うんうんうん!と揃って嬉しそうに頷きます。

丁度今日はスタッフの人数も多めに組まれているので仕事に差し支えなし。


私は仕事での仲良しクラブは絶対に良しとは思いませんが、
せめて今日くらいはね、いいんじゃないかと。
いつもいつも皆一生懸命走り回ってますから。
注意しても加賀さんと話そうとしなかった五反田さんが親身になって話を聞いているんだし。


今日だけはね。


という事で、加賀さんと五反田さんの姿を嬉しそうに横目で見ながら皆仕事してました。
皆の優しさにも感謝しながら私は退社。


病院玄関を出た時に遠くでワンちゃんが鳴く声がするような気がした。
そんな一日でした。



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コメント

  1. 大木凛悟『逆説幸福論』 | URL | -

    こんばんは!
    文章すごくお上手ですね、光景が浮かびます^^

    また遊びに伺います^^

  2. jil | URL | -

    大木凛悟さんへ

    コメントありがとうございます。
    私の文章はちゃんとした日本語にはなっていないと思います(涙)。
    上手く言いたかった事も全く表現出来ていないのがもどかしいです。
    お時間のある時にでもまた遊びに来て下さいね。

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